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ファイルサーバー移行とは?大手企業が押さえるべき手順・注意点・移行先の選び方

ファイルサーバー移行とは、既存データだけでなく、フォルダ構成やアクセス権限、運用ルールを新しい環境へ移す取り組みです。大手企業が押さえるべき準備、移行手順、トラブル対策、移行先の選び方を解説します。
ファイルサーバー移行とは、既存のファイルサーバーに保存されているデータを、新しいオンプレミス環境やクラウドストレージなどへ移す取り組みです。
ただし、ファイルをコピーするだけでは移行は完了しません。データ容量やファイル数の把握、不要データの整理、アクセス権限の見直し、業務アプリケーションへの影響確認、テスト移行、切り戻し計画まで含めて進める必要があります。
特に大手企業では、部門・拠点・グループ会社ごとにファイルが分散し、利用者数やデータ量も多くなります。既存環境をそのまま新しい環境へ移すと、複雑なフォルダ構成や不要な権限まで引き継いでしまう可能性があります。
本記事では、ファイルサーバー移行の基本、主な移行先、移行前の確認事項、具体的な手順、起こりやすいトラブル、移行先を選ぶポイントを解説します。あわせて、移行先の一つとして活用できる法人向けクラウドコンテンツ管理サービス「Box」についても紹介します。
ファイルサーバー移行とは
ファイルサーバー移行とは、既存環境に保存されているファイルやフォルダを、新しい保管・共有環境へ移すことです。
対象となるのはファイル本体だけではありません。一般的には、次の要素も移行または再設計します。
- フォルダ構成
- アクセス権限
- ユーザーやグループ
- ファイル名や保存ルール
- バックアップ方法
- 社内外の共有ルール
- 業務アプリケーションとの連携
- 利用者向けの運用手順
移行先には、新しいオンプレミス型ファイルサーバー、クラウド型ファイルサーバー、クラウドストレージ、またはオンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッド環境などがあります。
単なるデータコピーでは不十分
既存のファイルをそのままコピーするだけでは、移行後の業務やセキュリティに問題が生じることがあります。
例えば、移行元と移行先では、アクセス権限の仕組みやファイル名の制限、ファイルパスの扱い、利用できる文字、バージョン管理の方法などが異なる場合があります。
古いアクセス権限や複雑なフォルダ構成をそのまま移すと、移行後も管理負荷が残ります。そのため、移行を機に不要なデータや権限を整理し、新しい環境に合わせて運用を見直すことが重要です。
オンプレミス移行とクラウド移行の違い
オンプレミス間の移行では、既存のファイルサーバーから新しい社内サーバーへデータを移します。現在の操作方法やファイルパスを維持しやすい一方、機器の保守、バックアップ、容量管理、障害対応は引き続き自社で行う必要があります。
クラウド移行では、クラウド型ファイルサーバーやクラウドストレージへデータを移します。物理サーバーの管理負荷を抑え、テレワークや社外共有に対応しやすくなる一方で、ネットワーク、権限、利用者の操作方法を見直す必要があります。
どちらが適しているかは、既存システムとの連携、データ容量、利用場所、社外共有の頻度、セキュリティ要件などによって異なります。
大手企業がファイルサーバー移行を検討すべき理由
大手企業がファイルサーバー移行を検討する主な理由は、老朽化や容量不足だけではありません。
分散したデータの一元管理、テレワーク対応、アクセス権限の見直し、監査対応、BCP対策、将来的なデータ活用など、ファイル共有基盤全体の改善が求められています。
サーバーの老朽化やOSのサポート終了
長年利用しているファイルサーバーは、ハードウェアの故障やOSのサポート終了によって、障害やセキュリティのリスクが高まります。
保守期間が終了すると、故障時の部品交換やベンダーサポートを受けにくくなることもあります。複数の拠点や部門で異なるサーバーを利用している企業では、どのサーバーが更新時期を迎えているのか把握しにくい点も課題です。
サーバーの更新時期は、単に機器を入れ替えるだけでなく、全社のファイル管理方法を見直す機会になります。
データ増加による容量不足
動画、画像、設計データ、ログなど、大容量ファイルを扱う業務が増えています。
オンプレミス型ファイルサーバーでは、容量が不足するたびにディスクやサーバーを追加しなければなりません。増設には機器費用だけでなく、設計、設定、バックアップ変更、保守などの作業も発生します。
容量不足を放置すると、従業員が個人PCや管理されていない外部サービスへファイルを保存し、データがさらに分散する可能性があります。
部門や拠点ごとにデータが分散している
大手企業では、部門、拠点、グループ会社が個別にファイルサーバーを運用していることがあります。
その結果、次のような問題が発生します。
- 必要なファイルの保存場所がわからない
- 同じファイルが複数の場所に存在する
- 最新版を判断できない
- 拠点をまたいだ検索が難しい
- 全社的なアクセス権限を把握できない
ファイルサーバー移行は、分散しているデータを整理し、正式な保存場所や管理ルールを定める機会になります。
テレワークや社外共有に対応しにくい
社内ネットワークからの利用を前提としたファイルサーバーでは、社外から利用するためにVPN接続が必要になる場合があります。
利用者が増えると、VPNの処理能力やネットワーク帯域が不足し、ファイルを開くまでに時間がかかることもあります。
また、取引先との共有をメール添付に依存すると、容量制限、誤送信、最新版の行き違いなどが起こりやすくなります。
クラウド型のファイル共有基盤へ移行すれば、場所や端末に左右されにくいアクセス環境を整備しやすくなります。
アクセス権限と監査対応が複雑化している
大手企業では、人事異動、兼務、退職、プロジェクト終了、取引先変更などが頻繁に発生します。
そのたびにアクセス権限を変更しなければ、不要な権限が残り続ける可能性があります。長期間運用しているファイルサーバーでは、誰がどのフォルダにアクセスできるのか、管理者でも把握できない状態になることがあります。
移行を機にアクセス権限を棚卸しし、現在の組織や業務に合った形へ再設計することが重要です。
BCPや災害対策を見直す必要がある
オンプレミス型ファイルサーバーは、設置拠点の停電、火災、地震、機器故障などの影響を受けます。
バックアップを取得していても、バックアップデータが同じ拠点に保管されていたり、復旧手順を確認していなかったりすると、業務再開に時間がかかる可能性があります。
ファイルサーバー移行では、移行先の可用性だけでなく、誤削除や障害からの復元方法、復旧可能な期間、業務継続時のアクセス方法まで確認する必要があります。
ファイルサーバーの主な移行先
ファイルサーバーの移行先には、主に次の4つがあります。
| 移行先 | 向いている企業・用途 | 主なメリット | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 新しいオンプレミス型ファイルサーバー | 既存運用やファイルパスを維持したい | 現在の使い方を変更しにくい | 機器保守や容量管理が残る |
| クラウド型ファイルサーバー | 従来に近い操作性を維持したい | 物理サーバー管理を軽減しやすい | 通信速度や互換性の確認が必要 |
| クラウドストレージ | テレワーク、社外共有、共同作業を強化したい | 共有、検索、権限管理を改善しやすい | 運用ルールや利用方法が変わる |
| ハイブリッド構成 | 部門やデータごとに要件が異なる | 段階的に移行できる | 正本管理や運用が複雑になりやすい |
新しいオンプレミス型ファイルサーバー
社内に新しいサーバーを設置し、既存環境からデータを移します。
現在のネットワーク構成や操作方法を大きく変えずに移行しやすく、既存の業務アプリケーションがファイルパスを直接参照している場合にも対応しやすい方法です。
ただし、サーバー機器の購入、保守、容量増設、バックアップ、セキュリティ更新、障害対応は引き続き必要です。
クラウド型ファイルサーバー
クラウド上にファイルサーバー環境を構築し、従来のファイルサーバーに近い方法で利用します。
ファイルパスやエクスプローラーに近い操作方法を維持しやすいため、既存の運用を急激に変えにくい企業に向いています。
一方で、ネットワーク帯域、拠点ごとの通信速度、既存アプリケーションとの互換性、アクセス権限の移行方法を確認する必要があります。
クラウドストレージ
クラウドストレージは、クラウド上でファイルを保存、検索、共有するサービスです。
テレワーク、社外共有、共同編集、アクセスログ、バージョン管理などを重視する企業に適しています。
従来のファイルサーバーと操作方法が異なる場合があるため、単なる保存先の変更ではなく、業務の進め方や共有ルールも見直す必要があります。
ハイブリッド構成
すべてのデータを一度に移すのではなく、一部をオンプレミスに残し、共有頻度の高いファイルや社外利用するファイルをクラウドへ移す方法です。
大容量の設計データはオンプレミス、契約書や提案資料はクラウドといった使い分けも考えられます。
ただし、どちらの環境を正本とするのかを決めなければ、同じファイルが複数の場所に存在し、最新版がわからなくなる可能性があります。
ファイルサーバー移行前に確認すべきこと
ファイルサーバー移行の成否は、移行前の調査と準備によって大きく変わります。
特に大手企業では、データ量だけでなく、ファイル数、更新頻度、アクセス権限、既存システムとの依存関係を確認する必要があります。
データ容量・ファイル数・更新頻度
移行前には、次の情報を調査します。
- 全体のデータ容量
- フォルダごとの容量
- ファイル数
- ファイルの種類
- 更新頻度
- 最終更新日
- 大容量ファイルの割合
- 長期間使われていないファイルの割合
同じ1TBのデータでも、数千個の大容量ファイルと、数百万個の小さなファイルでは、移行に必要な時間や方法が異なります。
容量だけで判断せず、ファイル数や更新状況も含めて移行時間を見積もることが重要です。
移行対象・削除対象・アーカイブ対象
すべてのデータを新しい環境へ移す必要はありません。
古いバックアップ、重複ファイル、一時ファイル、終了したプロジェクトの作業データなどをそのまま移行すると、移行時間とコストが増えます。移行後の検索性も改善しません。
データを次の3つに分類しましょう。
- 新しい環境へ移行するデータ
- 長期保管環境へアーカイブするデータ
- 承認を得たうえで削除するデータ
契約書、会計資料、監査資料など、法令や社内規程によって保管期間が決められているデータは、管理部門と確認して扱う必要があります。
部門ごとの利用状況
部門によって、ファイルの種類や利用方法は異なります。
営業部門では提案資料や顧客情報、法務部門では契約書、開発部門では設計データ、管理部門では人事・会計関連資料などを扱います。
次の点を部門ごとに確認しましょう。
- 業務上重要なフォルダ
- 更新が集中する時間帯
- 社外共有の有無
- 業務アプリケーションから参照しているファイル
- 移行期間中に停止できない業務
- ファイル名やフォルダ構成に関する独自ルール
アクセス権限
アクセス権限は、既存設定をそのまま移すのではなく、現在の業務に必要かどうかを確認します。
特に、次の権限が残っていないか確認しましょう。
- 退職者の権限
- 異動前の部署の権限
- 終了したプロジェクトの権限
- 契約が終了した外部ユーザーの権限
- 全員に付与された過剰な権限
- 管理者権限を持つ不要なアカウント
移行先での権限管理方法が異なる場合は、既存権限との対応表を作成します。
移行日時と業務停止時間
移行中に利用者がファイルを更新すると、移行元と移行先の間に差分が発生します。
更新を停止する時間、停止対象のフォルダ、影響を受ける部門を決め、事前に利用者へ周知する必要があります。
拠点や海外法人によって業務時間が異なる場合は、全社一律ではなく、部門や拠点ごとに移行日時を分けることも検討します。
切り戻し条件
移行に重大な問題が発生した場合に備え、旧環境へ戻す条件を決めておきます。
例えば、次のような場合は切り戻しを検討します。
- 多数の利用者がファイルにアクセスできない
- 重要データに大規模な欠損や破損がある
- 基幹業務アプリケーションが動作しない
- 権限設定に重大な問題がある
- 想定時間内に復旧できない
判断基準だけでなく、判断責任者、連絡先、旧環境へ戻す手順も定めておきましょう。
移行後の確認項目
移行後に何を確認するかは、移行前に決めておきます。
主な確認項目は次のとおりです。
- ファイル数と容量が一致しているか
- ファイルを開けるか
- ファイルを編集・保存できるか
- フォルダ構成が正しいか
- アクセス権限が正しいか
- ファイル名が文字化けしていないか
- 業務アプリケーションから参照できるか
- 社外共有が正しく機能するか
- 利用者が想定どおり操作できるか
部門ごとに代表利用者を決め、実際の業務に沿って確認してもらうと、問題を発見しやすくなります。
ファイルサーバー移行の基本手順
ファイルサーバー移行は、次の9段階で進めます。
1.現状を調査する
データ容量、ファイル数、フォルダ構成、更新頻度、利用者、アクセス権限、アプリケーション連携を調査します。
部門ごとに利用状況が異なるため、システム上の調査だけでなく、部門責任者や主要利用者へのヒアリングも必要です。
2.移行の目的と要件を整理する
移行によって何を改善したいのかを明確にします。
主な目的には、次のようなものがあります。
- 老朽化したサーバーの更新
- 容量不足の解消
- 運用負荷の軽減
- テレワーク対応
- 社外共有の効率化
- セキュリティ強化
- BCP対策
- データ検索やAI活用に向けた基盤整備
目的が曖昧なままでは、移行先や必要な機能を適切に選べません。
3.移行先と移行方式を決める
オンプレミス、クラウド型ファイルサーバー、クラウドストレージ、ハイブリッド構成を比較します。
あわせて、全社一括移行、部門別移行、段階移行などの方式を決めます。
大手企業では、影響範囲を抑えやすい段階移行が現実的です。
4.データを整理する
移行対象、アーカイブ対象、削除対象を分類します。
部門責任者の承認を得ながら、重複ファイルや不要な作業データを整理します。重要な文書については、保存期間や法的要件を確認します。
5.フォルダ構成と権限を設計する
既存のフォルダ構成をそのまま移すのではなく、新しい環境に合う構成へ見直します。
全社共通、部門、プロジェクト、社外共有など、用途ごとの管理単位を決めます。
アクセス権限は、個人への直接付与を減らし、部署や役割のグループ単位で管理すると、異動や退職時の変更を行いやすくなります。
6.バックアップと復元確認を行う
本番移行の前に、移行元データのバックアップを取得します。
バックアップは取得するだけでなく、必要なデータを復元できることまで確認しましょう。
移行作業中にファイルが破損した場合や、本番移行を切り戻す場合に、バックアップが利用できなければ業務を継続できません。
7.テスト移行を実施する
一部の部門や代表的なデータを使ってテスト移行を行います。
テストでは、次の点を確認します。
- 転送速度
- ファイル名と文字コード
- 長いファイルパス
- アクセス権限
- 更新日時
- 業務アプリケーション連携
- 利用者の操作性
- ネットワーク負荷
問題を修正してから、本番移行に進みます。
8.本番移行と動作確認を行う
本番移行では、利用者の更新を停止し、初回コピー後の差分データを反映します。
移行後は、事前に決めた確認項目に沿って、データ、権限、アプリケーション、操作性を確認します。
重大な問題がある場合は、事前に定めた条件に従って切り戻しを判断します。
9.新環境への切り替えと旧環境の停止を行う
動作確認が完了したら、新しい保存場所やアクセス方法を利用者へ案内します。
旧環境をすぐに削除すると、移行漏れが見つかった際に対応できません。一定期間は読み取り専用で保持し、問題がないことを確認した後に停止する方法もあります。
ただし、旧環境と新環境を長期間併用すると、どちらが正本かわからなくなるため、併用期間と停止日を明確にしましょう。
ファイルサーバー移行で起こりやすいトラブルと対策
ファイルが見えない・アクセスできない
移行後にファイルへアクセスできない場合は、影響範囲を切り分けます。
特定の利用者だけであればアカウントや権限、特定のフォルダであれば権限継承や移行漏れ、全利用者であればネットワークやサービス設定の問題が考えられます。
部門ごとの問い合わせ窓口と確認手順を用意しておくと、対応しやすくなります。
ファイルを開けない・文字化けする
特殊文字、長いファイル名、長すぎるパス、移行先で利用できない文字などにより、ファイルを開けないことがあります。
古いファイル形式や文字コードの違いによって、文字化けが発生する場合もあります。
本番移行前にファイル名を検査し、問題のあるファイルを修正することが重要です。
アクセス権限が正しく引き継がれない
移行元と移行先で権限の仕組みが異なると、同じ設定をそのまま移せない場合があります。
権限不足だけでなく、本来見せてはいけない利用者へ権限が付与されることにも注意が必要です。
機密情報を保存する重要フォルダは、部門責任者と管理者の双方で確認しましょう。
移行後の動作が遅い
クラウド移行後に動作が遅い場合は、サービスだけでなく、ネットワーク帯域、VPN、プロキシ、拠点からの通信経路などを確認します。
ファイルの同期や検索インデックス作成が集中し、一時的に負荷が高まる場合もあります。
テスト移行では、少量のデータだけでなく、実際の利用に近いデータ量や同時利用者数で検証することが重要です。
業務アプリケーションが動作しない
業務アプリケーションが特定のファイルパスを参照している場合、移行後に保存場所が変わると動作しなくなることがあります。
ショートカットだけでなく、バッチ処理、マクロ、帳票システム、設計ツールなどがファイルサーバーを参照していないか確認しましょう。
移行元と移行先に差分が生じる
移行中に利用者がファイルを更新すると、移行先に最新版が反映されない可能性があります。
対策として、次の方法があります。
- 移行前に更新停止時間を設ける
- 初回コピー後に差分コピーを行う
- 更新頻度の高いフォルダを最後に移す
- 移行中の変更履歴を記録する
切り戻し判断が遅れる
問題の原因調査を続けるうちに、業務停止が長期化することがあります。
移行前に、何分または何時間以内に解決できなければ切り戻すのか、どの程度の影響で切り戻すのかを決めておくことが重要です。
大手企業が移行先を選ぶ際のポイント
自社の目的に合っているか
まず、移行の目的を明確にします。
現在の操作方法を維持することが最優先なのか、社外共有や共同作業を改善したいのか、データを一元管理したいのかによって、適した移行先は異なります。
目的を複数設定する場合は、優先順位を決めましょう。
大容量データと多数ユーザーに対応できるか
保存容量だけでなく、次の項目を確認します。
- 1ファイル当たりの上限
- ファイル数の上限
- 同時アクセス性能
- ユーザー数
- 外部ユーザー数
- データ転送速度
- 将来的な拡張性
設計データや動画を扱う部門では、通常の文書を扱う部門とは異なる要件が必要です。
アクセス権限を管理しやすいか
部署、役職、プロジェクト、グループ会社、外部ユーザーごとに権限を設定できるか確認します。
閲覧、編集、ダウンロード、共有、削除などを細かく制御できることも重要です。
人事異動が多い企業では、ID管理基盤やグループ情報と連携し、権限を更新しやすい仕組みが求められます。
ログと監査機能があるか
誰が、いつ、どのファイルを閲覧、編集、共有、ダウンロードしたかを確認できる必要があります。
ログの有無だけでなく、次の点も確認しましょう。
- ログの保存期間
- 検索方法
- エクスポート
- 管理者レポート
- 外部監視システムとの連携
- 異常操作の検知や通知
社外共有を安全に行えるか
取引先や外部パートナーとの共有がある場合は、次の機能を確認します。
- 共有リンクの有効期限
- アクセスできる利用者の制限
- パスワード設定
- ダウンロード制限
- 外部ユーザーの招待管理
- 管理者による共有停止
- 外部共有状況の可視化
社外共有を禁止するだけでは、利用者が管理外のサービスを使う可能性があります。安全に共有できる正式な手段を用意することが重要です。
認証基盤や業務システムと連携できるか
Active Directory、IdP、SSO、グループウェア、チャット、電子契約、CRMなど、既存環境との連携性を確認します。
連携によって、アカウント作成、権限変更、ファイル保存などを自動化できれば、管理者と利用者の負担を軽減できます。
現場に定着する操作性があるか
高機能であっても、利用者が使いにくければ、個人PCや非承認サービスへファイルを保存する可能性があります。
保存、検索、共有、編集、履歴確認などの基本操作を、実際の利用者に試してもらいましょう。
従来のファイルサーバーに慣れた利用者が多い場合は、エクスプローラーに近い操作方法を提供できるかも確認事項になります。
移行・導入支援を受けられるか
大手企業の移行では、データ転送だけでなく、計画、設計、部門調整、利用者教育が必要です。
次の支援を受けられるか確認しましょう。
- 現状調査
- 移行計画
- データ整理
- フォルダ設計
- 権限設計
- テスト移行
- 本番移行
- 利用者教育
- 問い合わせ対応
- 移行後の運用改善
ファイルサーバー移行後の運用を定着させる方法
フォルダ構成と命名規則を標準化する
利用者が自由にフォルダを作り続けると、移行前と同じように構成が複雑化します。
全社共通、部門、プロジェクト、社外共有など、フォルダ作成の基本ルールを決めましょう。
ファイル名の日付、版数、案件名などの表記方法も統一すると、検索や整理を行いやすくなります。
社内外の共有ルールを分ける
社内共有と社外共有では、必要な管理が異なります。
社外共有については、共有期限、ダウンロード可否、承認者、共有後の権限削除などを定めます。
機密情報や個人情報については、保存場所や共有方法を別に定めることも検討します。
アクセス権限を定期的に棚卸しする
移行時に権限を整理しても、組織変更や人事異動によって権限は古くなります。
定期的に次の権限を確認しましょう。
- 退職者
- 異動者
- 終了したプロジェクト
- 外部ユーザー
- 長期間利用されていないアカウント
- 過剰な管理者権限
削除・アーカイブのルールを決める
移行後もファイルは増え続けます。
不要ファイルの削除時期、長期保管するファイルの条件、アーカイブ先、承認方法を定めましょう。
利用者任せにせず、一定期間更新されていないファイルを抽出するなど、管理者側で確認できる仕組みも必要です。
管理者と利用者に教育を行う
管理者には、権限設定、外部共有、ログ確認、ユーザー管理、トラブル対応などを教育します。
利用者には、保存場所、検索方法、共有方法、命名規則、禁止事項を説明します。
移行時だけでなく、新入社員や異動者に対する教育も継続的に実施しましょう。
ファイルサーバーの移行先としてBoxを活用するメリット
大手企業がファイルサーバー移行を行う際は、保存先を変更するだけでなく、社内外の情報共有やコンテンツ管理を改善することが重要です。
その選択肢の一つが、法人向けクラウドコンテンツ管理サービスの「Box」です。
Boxとは
Boxは、企業向けのクラウドコンテンツ管理プラットフォームです。
ファイルをクラウド上で保管し、社内外の利用者と共有できます。パソコン、ブラウザ、モバイル端末などからアクセスできるため、テレワークや拠点間での利用にも活用できます。
ファイルサーバーの保存機能を置き換えるだけでなく、共有、アクセス管理、ログ、共同作業などを含むコンテンツ管理基盤として利用できる点が特徴です。
ファイルを一元管理しやすい
Box上にファイルを集約すれば、部門や拠点ごとに分散していたファイルを一元管理しやすくなります。
関係者が同じファイルへアクセスできるため、メール添付によるコピーの増加や、最新版がわからなくなる問題も抑えやすくなります。
社内外の共有を管理しやすい
Boxでは、ユーザー招待や共有リンクを利用してファイルを共有できます。
共有相手、アクセス範囲、有効期限、ダウンロード可否などを設定できるため、社外共有のルールをシステム上で運用しやすくなります。
利用できる機能や設定範囲は、契約プランや管理者ポリシーによって異なります。
ユーザー・ファイル・ログを管理できる
管理者は、ユーザー、ファイル、共有状況、操作ログなどを管理できます。
誰がどのファイルへアクセスしたかを確認しやすくなるため、内部統制、監査、インシデント調査にも活用できます。
多数の部門、グループ会社、外部パートナーとファイルを共有する大手企業では、共有状況を可視化できることが重要です。
大量データの管理に対応しやすい
大手企業では、動画、画像、設計データ、契約書、提案資料などが継続的に増えます。
Boxの保存容量や1ファイル当たりのアップロード上限、バージョン履歴などは契約プランによって異なります。導入時には、現在のデータ量だけでなく、将来の増加量やファイル形式を踏まえてプランを選ぶ必要があります。
当社へ導入・移行を相談できる
大手企業のBox導入では、データを移すだけでなく、フォルダ構成、権限、社外共有、既存システム連携、利用者展開を設計する必要があります。
当社では、法人向けBoxの導入や既存ファイルサーバーからの移行を支援しています。移行するデータ量、利用者数、現在の環境、契約内容を確認し、移行計画やフォルダー・権限の設計、利用開始後の運用までご提案します。
まとめ:ファイルサーバー移行は事前調査と運用設計が重要
ファイルサーバー移行とは、既存のファイルを新しい環境へコピーするだけの作業ではありません。
データ容量、ファイル数、フォルダ構成、アクセス権限、業務アプリケーション、バックアップ、利用ルールまで含めて見直すプロジェクトです。
大手企業が移行を成功させるには、次の対応が重要です。
- 現在のデータと利用状況を調査する
- 不要データを整理する
- アクセス権限を棚卸しする
- 移行の目的に合う移行先を選ぶ
- バックアップと切り戻し条件を用意する
- テスト移行を実施する
- 部門や拠点ごとに段階的に移行する
- 移行後の運用ルールと教育を整備する
移行先には、オンプレミス型ファイルサーバー、クラウド型ファイルサーバー、クラウドストレージ、ハイブリッド構成があります。
現在の使い方を維持することを優先するのか、テレワークや社外共有を改善するのかによって、適した移行先は異なります。
Boxのような法人向けクラウドコンテンツ管理サービスを利用すれば、ファイルの一元管理、アクセス権限、社外共有、ログ管理などを含む新しい情報共有基盤を構築できます。
自社のデータ量、業務要件、セキュリティ要件、既存システムとの連携を整理し、移行後の運用まで見据えてファイル共有基盤を選定しましょう。



